「翔んで埼玉」の魅力を考察！面白さの理由と本作のメッセージは？

2023-11-26

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映画「翔んで埼玉」の魅力について考察します。

この記事で紹介するのは、下記の６つ。

「翔んで埼玉」の面白さを紐解く　①スペクタルコメディー大作
「翔んで埼玉」の面白さを紐解く　②豪華な俳優陣と演技力
「翔んで埼玉」の面白さを紐解く　③格差に対する風刺も込められたコメディ
「翔んで埼玉」が炎上せず受け入れられる理由　①現代パートの役割とフィクション性の強調
「翔んで埼玉」が炎上せず受け入れられる理由　②埼玉という自虐ネタが許される場所
「翔んで埼玉」が炎上せず受け入れられる理由　③笑いの中にある感動シーン

「翔んで埼玉」の面白さと受け入れられる理由を深堀していきたいと思います。

「翔んで埼玉」の面白さを紐解く

スペクタルコメディー大作

本作のキャッチコピーは、「壮大かつ大真面目に郷土愛へ向き合う、エンターテインメント超大作」（翔んで埼玉公式HP）となっていますが、本当にびっくりするくらい壮大な超大作になっています。

「テルマエ・ロマエ」シリーズでも手腕を発揮した武内監督らしい、スペクタルコメディー大作だと言えるでしょう。

武内監督は次のようなことを対談の中で語られています。

「スペクタクルにすればするほどばかばかしさが強調されていくんですよ。クライマックスでは、都庁前のシーンが登場しますが、そのあたりのスケールの大きさは見応えがあると思いますよ。」
「埼玉ディス」マンガとして大きな話題になってから4年。映画『翔んで埼玉』魔夜峰央×千葉出身の武内監督対談

まさに、狙った通りの面白さがありましたね。

都庁前のシーンは、CGではなく、都庁前の道路を3日間全面封鎖するという大規模なロケを実施し、1000人ものエキストラが参加したそうです。

埼玉軍と千葉軍が流山川で合戦をするシーンも壮大なスケールで素晴らしいです。

大勢の人たちによる熱気も、スペクタルコメディーに拍車をかけていると言えそうですね。

豪華な俳優陣と演技力

物語は超名門校・白鵬堂学院の生徒という設定なので、麻実麗役も当然高校生です。

武内監督も当初は若い俳優を考えていたそうですが、もっとぶっ飛んだキャスティングをと考えていたそうです。

そこでGACKTの名前が挙がり、「それだ！」となったそうです。

ぶっ飛んだキャスティングではあるものの、クールで美しく、教養深くてカリスマ性のある麗の役にぴったりではありますね！

もう一人の主人公・壇ノ浦百美は、二階堂ふみが演じましたが、まるで中世ヨーロッパの貴族のような、役にはまった演技を魅せてくれています。

白目をむいて倒れたり、吊るされたりと、身体を張った演技にも注目です。

他にも、千葉解放戦線のリーダー阿久津翔役の伊勢谷友介、埼玉デューク役の京本政樹をはじめとする有名俳優陣の素晴らしい熱演を見ることができます。

これらの俳優陣に、武内監督「一切ふざけずにNHKの大河ドラマのつもりで。」と指示したそうです。

一流の俳優達が大真面目にばかばかしい内容を演じているからこそ、ギャップが面白いです。

格差に対する風刺も込められたコメディ

本作品では、関東における序列と格差が描かれています。

白鵬堂学院でのクラス分けなどもひどいもので、A組が赤坂や青山で、そこから新宿区や渋谷区、中央区、横浜市などが続く序列となっており、埼玉県民はＺ組。

Ｚ組の埼玉県民は小屋のようなところで隔離されており、「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ！」という強烈な言葉まで浴びさせられます。

観ているだけでツッコミを入れたくなりますが、実際に人類の歴史は、格差や差別の歴史だったと言えます。

田舎を馬鹿にしたり、特定の県民をこき下ろしたりといったことは、身の回りでも往々にあることではないでしょうか。

「翔んで埼玉」では、私たちがついつい行っている差別的な言動を風刺的に描いていると言えます。

そして、映画の終盤では、愛と革命の物語へと昇華されているのが、この作品の素晴らしいところだと思います。

「翔んで埼玉」が炎上せず受け入れられる理由

現代パートの役割とフィクション性の強調

本作の構成は、「革命の物語の伝説パート」と「現代パート」で構成されています。

現代パートは、菅原愛海（島崎遥香）が結納のため、父：菅原好海（ブラザートム）と母：菅原真紀（麻生久美子）の3人で車で向かう途中で、革命の物語の伝説をラジオで聞くという構成になっています。

つまり、ラジオで聴く都市伝説であるという設定にすることで、直接的なディスりを避けるとともに、観客は現実パートの登場人物の目線で、伝説パートを受け止めることができるのです。

また、この映画の冒頭で、「最初にお断りしておきますが、この物語はフィクションであり、実在の人物名、団体名、特に地名とは一切関係ありませんので、そこんとこよろしくお願いします」

とアナウンスされるのもフィクション性を強調しています。

埼玉という自虐ネタが許される場所

埼玉は、イジり、自虐ネタが許される土壌があったという点もポイントです。

作中でも出てくるように、郷土愛や魅力度といった点でワーストにランクインするという実際のデータもあり、自虐ネタとして受け入れられやすかったようです。

武内監督のインタビューによると、埼玉県人がどのように感じるかリサーチをしたところ、「もっとネタにしてほしい」とか「もうちょっと物足りない」という声も多かったのだとか。

そして、埼玉の自虐ネタがピークに達するのは、はなわが歌う「埼玉県のうた」が流れるエンドロールです。

歌詞にはこんな自虐ネタが。

海がない、空港ない、名所もない、さらに郷土愛もない。
せっかく晴れてもお出かけスポットがない。
貧乳率が日本一、巨乳好きも日本一。
名産が無さ過ぎてご当地キティは、サイのかぶりもので玉に乗ってる。
6年連続住みにくい県第１位。

このように、イジられても仕方ないと自虐が許される土壌がありましたが、本作のすばらしさはそれをコメディとして昇華したところにあるといえます。

映画の終盤においても、「特化したものが無いというだけで、“全てのものがほどほどに満ちている”ということに多くの人が気づき始めました。」と語られています。

自虐、卑下してきた埼玉という土地に対して、地元愛を再認識することができる作品だと言えるのではないでしょうか。

実際に、埼玉県１県で、興収１０億円以上を突破したそうです。

埼玉県民も他県民も気兼ねなく笑えて、無個性だった埼玉に強烈な個性がが生まれた素晴らしい作品だと言えます。

笑いの中にある感動シーン

埼玉という土地をイジり倒した本作ですが、地元愛を再認識させるシーンがいくつかでてきます。

特に、埼玉解放戦線の支部長に決起を促すシーン。

麻実麗（GACKT）は、一体感のない支部長たちに対して、

「お前たち、本当にそれでいいのか？　埼玉愛はないのか？」

「そんなことだから、埼玉はいつもバカにされるんだ。・・・ださいたま、くさいたま・・・」

というセリフを吐くと、下川信男（加藤諒）がそれに呼応して、思いを吐露します。

「くやしいよ！　いつも馬鹿にされても、何でもない顔していつもヘラヘラして気付いてないふりしてたけど、本当はくやしいんです！」

「何もないとこだけどさ、住みやすくていいとこじゃんかよ！」

同じZ組の山田昌子（宮澤竹美）も鼓舞します。

「私たちは、”ださいたま”なんかじゃない」

「千葉に勝って、私たちの埼玉愛を証明しましょう！」

埼玉解放戦線が団結する、感動さえ覚えるシーンです。

また、その後の埼玉解放戦線と千葉解放戦線の共闘シーンも胸アツな展開が続きます。

麻実麗（GACKT）と阿久津翔（伊勢谷友介）の互いを認めるシーンや、闘いの終結時の登場人物のセリフにも注目です。

以上が、「翔んで埼玉」の魅力について考察でした。

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こんな人にオススメ

映画「翔んで埼玉」は、まずは埼玉県民や郷土愛を持つ人に特におすすめです。

作品は埼玉の人々やその地域を愛する人々に共感を呼び起こす要素が豊富にあります。

また、「スペクタルコメディー大作」と銘打っているだけあって、どんな人でも気軽に楽しめるコメディ映画です。

ストレス溜まった際に無心で見ると気がほぐれるという声もあり、笑いあり感動ありの作品となっています。

武内監督の手腕光る魅力満載の映画なので、興味を持った方はぜひ鑑賞してみてください。

ざわプレス

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みんなの評判は？

「翔んで埼玉」は世間でも話題になりました。

公開当時MOVIX川口で見たのですが、
・地元の川口が酷い描かれ方しようが
・そこら辺の草でも食わせとけと言われようが
・地元に変な疫病を作られようが
・同じ地元民がGのように駆逐されようが
満員の観客(車椅子席にいたお婆ちゃんも含む)がバカ笑いしてくれる、それが埼玉県人です(笑)
#翔んで埼玉 pic.twitter.com/YQeSCsFKqZ
— きゃすばる913 (@Mrkishidou) November 18, 2023

翔んで埼玉

「西葛西って千葉じゃなかったの！？」
「私もずっと千葉だと…」

wwwww

翔んで埼玉、埼玉だけでなくわりと全方向にdisってるの最高に好きだし、そのdisり方が「地元民の方が笑ってしまう」絶妙なセンスなの良きw#翔んで埼玉
— レウコクロリディウム (@maniacalmouse) November 18, 2023