映画「デューン 砂の惑星」の考察について紹介します。
この記事で紹介するのは、下記の６つ。
スパイスの役割
「デューン 砂の惑星」におけるスパイスの役割は非常に重要です。
スパイスは物語の中で多くの機能を果たしています。
スパイスは宇宙航行に欠かせない重要な要素（宇宙船の推進力）として説明されています。
また、抗老化作用や意識を拡張させ、超能力的な感覚を高める効能を持っています。
スパイスは、主人公ポールの予知夢や覚醒にも影響を与えています。
スパイスを唯一採掘できるのが、砂の惑星アラキス、通称“デューン”です。
スパイスとそれを産み出すアラキスを巡って、様々な勢力が争いを繰り広げています。
ポールとチャニの関係性
チャニは映画ではヒロイン的な役割を果たしています。
彼女はポールがアラキスに到着する前から、夢の中に出てくる少女として登場します。
ポールとチャニは互いに惹かれ、恋仲になります。
彼らはフレメンの戦士として共に戦い、固い絆で結ばれますが、次第に綻びを生み出すことになる要因が、「救世主」（リサン・アル・ガイブ）についての考え方です。
チャニは当初から「救世主」の存在に否定的で、仲間たちにもその思想の危険性を警告します。
チャニが否定していた「救世主」にポールがなってしまうのですが、Part2のラストシーンでチャニを中心に置くことで、英雄伝説に対する客観的かつ批判的な視点を取り入れていると考えられるでしょう。
ベネ・ゲセリットとは何なのか
ベネ・ゲセリットの設立目的は、銀河帝国の人類の遺伝子を操作し、人類を救う超能力者「クウィサッツ・ハデラック」を生み出すことにあります。
この存在は、全ての時間と空間を見通す能力を持つとされています。
彼女たちは世代を超えた遺伝子計画を遂行し、貴族家系と結びついてその目的を達成しようとします。
女性だけの秘密結社と考えるとよいでしょう。
リーダー的存在である教母は、意識レベルに達成した女性として描かれています。
レディ・ジェシカ（ポールの母）もベネ・ゲセリットの一員であり、彼女の行動は物語の展開に大きな影響を与えています。
勢力争い
主な勢力として描かれているのは、宇宙を支配する大領家であるアトレイデス家（ポール達の一族）やハルコンネン家（かつて惑星アラキスを統治していた一族）です。
ハルコンネン家は突如アトレイデス家を滅ぼし、ポールも父を失ってしまうわけですが、ハルコンネン家の後ろ盾には、漁夫の利を得ようとする皇帝がいました。
さらに、皇帝の動きも自らの計画に組み込んでいたのが前述のベネ・ゲセリットです。
レディ・フェンリングがフェイド＝ラウサを誘惑した理由
ベネ・ゲセリットは、クウィサッツ・ハデラックを生み出す遺伝子交配計画のために活動しており、レディ・フェンリングもその一員です。
主人公ポールはクウィサッツ・ハデラックの候補者の血筋でしたが、ハルコンネン家のフェイド＝ラウサに同様に候補者の血筋でした。
レディ・フェンリングはフェイド＝ラウサを誘惑しさらに、クウィサッツ・ハデラックに適しているかどうかを評価するために、彼を試す必要がありました。
ポールがフェイド＝ラウサと決闘をした理由
ポールとフェイド＝ラウサはそれぞれアトレイデス家とハルコンネン家の代表者であり、ポールにとって、ハルコンネン家は父の仇討ちの相手でした。（ただし、ポールもハルコンネン家の血筋を引いています。）
決闘をした一番の理由は、ポールが自分に課せられた救世主の役割を果たそうとしたことにあると考えられます。
決闘に勝利することは、ポールが正統な支配者としての地位を確立し、フレメンとアラキス全体の支持を得るための重要なステップだったといえるでしょう。
以上が、映画「デューン 砂の惑星」の考察でした。
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【まとめ】
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