映画「テルマエ・ロマエ」の主人公ルシウスは実在したのか、登場人物にモデルはいるのかを解説します。
結論:ルシウスは実在しない架空の人物です
- ルシウス・モデストゥスは、原作者ヤマザキマリが生み出したオリジナルの人物
- 一方で、ハドリアヌス帝・アントニヌス帝・ケイオニウスの3人は歴史上に実在した人物
- ヒロインの山越真実は、原作者ヤマザキマリ自身がモデルと考えられる映画オリジナルのキャラクター
登場人物は実在する?一覧で確認
映画「テルマエ・ロマエ」は古代ローマ(2世紀前半)を舞台にしているため、架空の人物と歴史上の人物が入り混じって登場します。
| 登場人物 | 演じた俳優 | 実在? |
|---|---|---|
| ルシウス・モデストゥス | 阿部寛 | 架空の人物 |
| 山越真実 | 上戸彩 | 架空(映画オリジナル) |
| ハドリアヌス帝 | 市村正親 | 実在(第14代ローマ皇帝) |
| アントニヌス | 宍戸開 | 実在(第15代ローマ皇帝) |
| ケイオニウス | 北村一輝 | 実在(ルキウス・アエリウス・カエサル) |
それぞれ順番に解説します。
ルシウスは実在しない?モデルはいる?
本作の主人公ルシウス・モデストゥスは、歴史上に実在しない架空の人物です。
映画のラストでは、ルシウスについて次のような説明が表示されます。
当時、革新的な浴場などを次々と作り、名建築家として名を馳せたが、後世に残る文献が少なく晩年は不明である。
実在の皇帝と同じ形式で紹介されるため「本当にいた人なのでは?」と感じた人も多いはずです。しかし、ルシウス・モデストゥスという名の建築家は、歴史の記録には登場しません。「文献が少なく晩年は不明」という一文も、架空の人物であることを踏まえた演出と言えるでしょう。
ルシウスにモデルはいる?
ルシウスに特定のモデルがいるという公式な情報は見当たりません。原作漫画『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリが、古代ローマの浴場文化をもとに生み出したキャラクターです。
ちなみに、ハドリアヌス帝の時代に実在した建築家としては、先代トラヤヌス帝に仕えたアポロドロスが知られています。トラヤヌスのフォルム(広場)などを手がけた名建築家ですが、ハドリアヌス帝とは折り合いが悪かったと伝えられています。皇帝に重用される劇中のルシウスとは、対照的な存在です。
山越真実のモデルは原作者ヤマザキマリ
上戸彩が演じた山越真実は映画オリジナルのキャラクターで、モデルは原作者のヤマザキマリと考えられます。
映画の終盤では、真実がルシウスをモデルにした漫画『テルマエ・ロマエ』を描いて漫画家デビューします。原作者の存在を物語の中に重ねた、メタフィクション的な演出になっています。

ハドリアヌス帝は実在した第14代ローマ皇帝
市村正親が演じたハドリアヌス帝は、歴史上に実在した人物です。在位は117年〜138年で、「五賢帝」の3人目にあたります。
映画のラストでは、次のように紹介されています。
第14代ローマ皇帝。
それまでの帝国拡大路線をやめ、現実的な国内安定化路線へと変革させた。
のちにアントニヌスにより神格化される。138年没
史実でのハドリアヌス帝は、次のような人物です。(参考:世界史の窓)
- 無理な領土拡張をやめ、属州の経営と都市ローマの整備に力を注いで帝国を安定させた
- ブリタニア(現在のイギリス)に「ハドリアヌスの長城」を築いた
- ギリシア文化を愛した文化人としても知られ、ローマのパンテオンの再建にも関わった
- 寵愛した美少年アンティノウスを東方巡幸に同行させたが、130年にエジプトのナイル川で溺死した
「戦争より国の安定」を重んじる劇中の姿は、史実のハドリアヌス帝の人物像をよく反映していると言えそうです。
アントニヌスは実在した第15代ローマ皇帝
宍戸開が演じたアントニヌスも、歴史上に実在した人物です。のちに第15代ローマ皇帝アントニヌス・ピウス(在位138年〜161年)となり、「五賢帝」の4人目に数えられます。
映画のラストでは、次のように紹介されています。
138年。第15代ローマ皇帝に即位。
先帝ハドリアヌスの国内安定化路線を継承し、その治世は終始平穏であった。161年没
史実でのアントニヌスは、次のような人物です。(参考:世界史の窓)
- 約23年の治世は安定しており、元老院とも協調した
- 元老院の有力議員で、温厚で誠実な人柄で知られていた
- ハドリアヌス帝の後継者と目されていた人物(ケイオニウス)が亡くなったため、ハドリアヌスの養子となり、138年に即位した
映画では皇帝になる前の姿しか描かれませんが、穏やかで誠実な性格は史実どおりに表現されています。
ケイオニウスは実在した皇帝の後継者
北村一輝が演じたケイオニウスも、歴史上に実在した人物です。歴史上は「ルキウス・アエリウス・カエサル」の名で知られています(本名はルキウス・ケイオニウス・コンモドゥス)。
映画のラストでは、次のように紹介されています。
137年。パンノニア属州総督に就任。
ハドリアヌスの養子として帝位継承者に指名されていたが、赴任先のパンノニア属州で疫病にかかって死没した。138年没
史実でのケイオニウスは、次のような人物です。(参考:Wikipedia)
- ハドリアヌス帝の寵愛を受けて養子となり、後継者に指名されたが、即位前に早世した
- 130年にプラエトル(法務官)を務めた
- パンノニアからローマに戻り、138年の新年に養父へ感謝を述べる演説を準備していたが、その直前に急死した
息子ルキウス・ウェルスはのちに皇帝に
ケイオニウスにはルキウス・ウェルスという息子がいました。父の死後はアントニヌスの養子となり、のちにマルクス・アウレリウスとともにローマの共同皇帝になっています。(参考:Wikipedia)
ウェルスは宴会や戦車競走を好む享楽的な人物だったと伝えられています。劇中の華やかで女性好きなケイオニウス像には、息子ウェルスのイメージも重ねられているのかもしれません。
「テルマエ・ロマエ」は実話?
「テルマエ・ロマエ」は実話ではなく、ヤマザキマリの漫画を原作としたフィクションです。
ただし、皇帝たちの人物像や、古代ローマで公衆浴場(テルマエ)が人々の暮らしの中心だったことなどは史実にもとづいています。「架空の浴場技師が、実在の皇帝のもとで活躍する」という組み立てが、本作の面白さを支えていると言えるでしょう。
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「テルマエ・ロマエ」の見どころ
古代ローマと日本の銭湯がつながる設定
古代ローマの浴場と現代日本のお風呂がつながるという設定が、本作最大の魅力です。二千年の時間と東西の距離を超えた異文化交流のおかしさ、そして古代ローマ人と日本人に共通する「お風呂への執念」が笑いを生んでいます。
日本各地の温泉地に加え、イタリアの撮影所チネチッタでもロケが行われており、撮影場所にも注目です。
「濃い顔」の豪華俳優陣
古代ローマ人を演じるのは、阿部寛をはじめ、北村一輝、市村正親、宍戸開といった「濃い顔」の日本人俳優たち。公開当時も「よくぞこれだけ揃えた」と話題になりました。
ヒロインの上戸彩は「平たい顔族」(日本人)として出演しており、阿部寛との掛け合いも見どころです。
みんなの評判は?
まとめ:ルシウスは架空、皇帝たちは実在
- ルシウス:実在しない架空の人物(特定のモデルは公表されていない)
- 山越真実:映画オリジナル。モデルは原作者ヤマザキマリと考えられる
- ハドリアヌス帝:実在した第14代ローマ皇帝(五賢帝の3人目)
- アントニヌス:実在した第15代ローマ皇帝(五賢帝の4人目)
- ケイオニウス:実在したハドリアヌス帝の後継者(ルキウス・アエリウス・カエサル)
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